記憶と感情を呼び覚ます。三重県立盲学校 授業実施レポート

#ブランドストーリー

Author:MY ONLY FRAGRANCE

目次

■なぜ、教育現場に「香り」が必要なのか

2026年2月6日(金)、私たちは三重県立盲学校を訪れました。私たちが提案しているのは、単なる香りの体験ではありません。五感の中で唯一、本能や感情を司る「脳」にダイレクトに届く嗅覚

視覚情報が制限される環境で、香りは自分自身の内面にある小さな感情の変化を鮮やかに映し出し、自分を大切にする力を育む強力なツールになります。今回は、子どもたちが自分の「好き」という感覚を信じ、心と向き合う90分間の授業を行いました。

■身近な香りのクイズによる「嗅覚体験」

授業の幕開けは、鼻と脳の不思議なつながりを学ぶ体験から行いました。チョコレートやバナナ、さらには驚きの「足の匂い」まで、身近な香りがムエット(試香紙)から立ち上がると、教室内にはパッと明るい笑い声が広がりました。

「これは昨日のおやつの匂いだ!」「懐かしい感じがする」目に見えない香りが一瞬で記憶の扉を叩き、子どもたちの心を解きほぐしていきます。ここで伝えたかったのは、「香りに正解はない」こと。誰かが「いい匂い」と言っても、自分が「苦手」と思えばそれが真実です。まずは「自分の感覚を信じる」ための準備を整えました。

■6種類の香りを嗅ぎ分け、今の感情と結びつけるワーク

メインワークでは、「うれしい」「落ち着く」「ワクワクする」など、6つの感情が書かれたポケットを用意しました。子どもたちは数種類の香りを嗅ぎ比べながら、「この香りを嗅ぐと、今の自分はどのような気持ちになる?」と自問自答し、ムエットをそれぞれのポケットへ振り分けていきます

香りが感情のスイッチを切り替え、目に見えない今の気持ちを自分なりに整理していく。そんな静かで熱い対話が、教室の至るところで行われていました。

■好きな香りを選び「10mlボトル」を制作

授業のクライマックスは、今日出会った中で1番好きな香りを一つ選ぶ時間です。「これが好き!」と決めた瞬間の、子どもたちの誇らしげな表情が忘れられません。私たちはその場で、10mlボトルにその香りを詰め、お一人おひとりに手渡しました。

授業の最後に感想を伺うと、前の授業で疲れを感じていたという生徒さんが、「香りを嗅いだら、一気に疲れが吹っ飛んだ」とはじけるような笑顔で話してくれました。また、ある生徒さんは「これ、お母さんが好きそうな香りだからプレゼントするんだ」と先生が教えてくれました。

自分の好きな感覚を大切にすることが、他者への想いへと繋がる香りの豊かさを実感した瞬間でした。

■先生からのフィードバックと、これからの活動展開

実施後、先生方からは「普段はおとなしい子どもたちが、これほど自分の感情を豊かに表現する姿に驚いた」「子どもたちの可能性を広げる、教育的価値の高い内容だった」と、身に余る評価をいただきました。

初めての試みゆえ、視覚支援(点字や文字の工夫)の不足など多くの課題も見つかりましたが、それらはすべて、よりよいプログラムへと進化させるための大切な教訓です。

三重県立盲学校様との出会いは、私たちにとっても「香りの力」を再確認する素晴らしい時間となりました。今後は、小学校での活動をメインとしながら、多感な時期を過ごす中学生や高校生など、より広い世代に「香りのある人生」を届けていけるよう、活動の幅を広げていく予定です。

フレグランスプロジェクトは、これからも香りの力を通じて、子どもたちが自分の感性を愛せる未来を創造してまいります。

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専属調香師

オーダーメイドフレグランス専門店「MY ONLY FRAGRANCE」専属調香師です。香水の基礎知識や選び方、保管方法といった実用的な情報に加えて店舗でのフレグランス体験やブランドの想いまで、香りをより身近に楽しむためのコンテンツを発信しています。

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