香水の種類を紹介。濃度・系統・形状の違いから好みに合うものを探す方法

Author:MY ONLY FRAGRANCE

店頭でお客様のご相談を受ける際、「香水にはどのような種類がありますか」という質問をよく伺います。香水の種類を整理する際は、一般的に知られている「濃度の違い」だけでなく、「香りの系統」や「容器や液体の形状」といった複数の要素から確認すると、自分に合うものを選びやすくなります。

今回は、それぞれの種類が持つ具体的な特徴を解説しながら、調香においてこれらをどのように扱い、組み立てているかを紹介します。

目次

香水の「濃度」による違いと調合時の捉え方

香水は一般的に、アルコールに含まれる香料の割合(賦香率:ふこうりつ)によって、パルファム、オードパルファム、オードトワレ、オーデコロンという名称に分類されます。しかし、実際の調香においては、この数値が高いだけで香りが長く残るわけではありません。

香料の組み合わせで変わる持続時間

一般的に「オードパルファムは長く残り、オードトワレは早く消える」と言われることが多いですが、同じ濃度であっても使用する香料の種類によって香りの残る時間は変化します。

例えば、揮発(蒸発)が早い柑橘類を中心に組んだ15%の香水と、揮発が穏やかなアンバーやムスクを主体にした15%の香水では、後者のほうが長く肌に残りやすい傾向があります。調香の際は、単に何%の香料を入れるかよりも、どのような香料をどのようなバランスで組み合わせるかを意識して調整しています。

濃度に合わせて比率を調整する

また、「オードパルファムをアルコールで薄めればオードトワレになる」と考えられることもありますが、実際は単純に薄めるだけではありません。香料は濃度が変わると、最初に香る強さや、後から感じる強さのバランスが変化します。そのため、そのまま薄めてしまうと、最初の香りだけが強く際立ったり、後から残る香りが弱く物足りなくなったりします。

こうした理由から、濃度が違う製品を作る際は、香料同士の比率そのものを細かく調整し直します。つまり、オードパルファムとオードトワレは同じ香りの濃淡ではなく、それぞれに合わせた別の構成で作られています。

香りの「系統」で分ける4つの特徴

香水の種類を分類する際は、香りの系統(香調:ノート)も目安になります。それぞれの系統が持つ蒸発スピードの違いを考えながら、つけた瞬間から時間が経ったときまでの香りの移り変わりを組み立てていきます。

シトラス

レモン、ベルガモット、グレープフルーツなど、すっきりとした爽快感がある系統です。シトラス類を構成する成分は分子が軽いため、つけた瞬間に空気中へ広がりやすくなります。香水の第一印象を決める要素であり、清潔な印象を与えやすいため、朝の時間帯や気持ちをすっきりさせたいときに使いやすい香調です。

フローラル

ローズ、ジャスミン、ミュゲ(スズラン)など、花の香りをベースにした系統です。シトラスに比べて分子が少し大きいため、最初から中盤にかけての香りの中心を構成することが多くあります。調香では、全体の香りに厚みや柔らかさを加えたいときによく選ばれます。

ウッディ

サンダルウッド、シダーウッド、パチュリなど、落ち着いた大地や木を思わせる系統です。これらは分子が重いため蒸発しにくく、肌の上に長い時間留まります。香水の土台となるベースノートに使われることが多く、全体の香りに厚みを加える役割を担います。

ムスク・オリエンタル系

バニラやアンバー、ムスクなど、温かみや深みがある系統です。単体では重みのある香りですが、調香の際は、異なる香りの要素同士をバランスよく繋ぎ合わせるために使われます。香りの尖った部分を和らげて、全体にまとまりを出してくれる香りが多いです。

市販されている香水の「形状」による違いと香りの広がり方

香水には、液体を吹き付ける一般的なスプレータイプだけでなく、液体の状態や容器の仕組みによっていくつかの形状があります。これらは、香料を肌につける方法が異なるため、香りの広がり方に違いが生まれます。

スプレータイプ

液体を細かな霧状にすることで、空気を含みながら広げる形状です。空気に触れることで香料の蒸発が進みやすくなるため、つけた瞬間に最初のシトラスやフローラルが空間全体に広がりやすくなります。時間とともに香りが移り変わる様子を、最も段階的に確認しやすい基本的な形状です。

ロールオンタイプ

容器の先端にあるボールを転がして、液体を直接肌に乗せる形状です。霧状にしないため空気に触れる面積が小さく、香料の蒸発スピードが穏やかになります。香りが周囲に広がりにくく、塗った場所に残りやすいため、つけた直後であっても、後から残る落ち着いた香りのほうを強く感じることがあります。同じ成分の液体であっても、容器の形によって香りの感じ方が変わってきます。

練り香水

練り香水は「香りが弱い香水」と考えられやすいですが、実際は香りの広がり方が異なります。スプレータイプの香水に含まれるアルコールには、それが蒸発する勢いにのって香りを周囲に広げる働きがありますが、アルコールを使わずにオイルやワックスで固める練り香水にはその働きがありません。

そのため、周囲に一気に広がることがなく、塗った場所の体温によって穏やかに香りが立ちます。周囲に広がりすぎず、人と近づいたときにだけ優しく香る性質があるため、強い香りを避けたい場面に向いた形状です。

店頭で伺うご相談に合わせた香水の選び方

店頭でお客様のお話を伺っていると、「夕方まで長持ちする香水が欲しいので、一番濃い種類を教えてください」というご相談をいただくことがあります。しかし、詳しく普段の過ごし方を聞いていくと、求めているのは香りの強さそのものではなく、「夕方の時間になっても、好みの香りが穏やかに残っていてほしい」というご相談であることがほとんどです。

そのようなときは、単純に濃度の高いオードパルファムを選ぶだけでなく、時間が経っても残りやすいウッディやムスクなどの香料をベースに置く組み合わせをご案内します。1回につける量やプッシュする位置を工夫すれば、外出先で何度も付け直さなくても、その方の過ごし方に合わせた持続時間を保てます。香水の種類はどれが優れているかの優劣ではなく、どのように香りを楽しみたいかに合わせて調合比率を選ぶのが自然です。

まとめ

香水の種類による違いは、単なる強弱ではなく、「香りをどのように肌や周囲へ届けるか」という構成の違いから生まれます。一般的なスプレー、ロールオン、練り香水という形状の違いや、オードパルファム、オードトワレという濃度分類を理解しておくと、自分が求める「最初の爽やかさをはっきりと出したい」「あるいは後から残る香りを長く保ちたい」という意図に合わせた香調を選びやすくなります。

香水は、香料の組み合わせだけでなく、どのような場面でどのように香るかというバランスまで考えて作られています。それぞれの種類が持つ特徴を知っておくと、毎日の生活の中で使いやすい方法を選べます。

MY ONLY FRAGRANCEでは、香りの系統だけでなく、お客様の普段の過ごし方や使用する場面に合わせた濃度や、ベースノートの調合バランスを提案しています。ライフスタイルに合う香りの持続性やバランスを調整したい方は、ぜひ店舗にお越しください。

※本記事では、一般的な香水の知識や楽しみ方についてご紹介しています。
MY ONLY FRAGRANCEでお作りいただけるフレグランスは雑貨としての取り扱いとなります。お肌への直接使用はお控えいただき、衣服やハンカチ、布製品などに軽く吹きかけて香りをお楽しみください。

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専属調香師

オーダーメイドフレグランス専門店「MY ONLY FRAGRANCE」専属調香師です。香水の基礎知識や選び方、保管方法といった実用的な情報に加えて店舗でのフレグランス体験やブランドの想いまで、香りをより身近に楽しむためのコンテンツを発信しています。

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